DC制御電源


制御盤のDC(直流)制御電源はなぜ24Vなのか


 制御盤(除く配電盤)を開けると、大抵DC電源が付いていますが、(特にFA制御盤は)何故ほとんど全て24Vを採用しているのでしょうか?

 区切りの良い、30Vや20Vあるいは25Vではいけないのでしょうか?

 これにはきちんと理由があります。例えば、パソコンの電源ユニットの出力電圧を見て下さい。

 12V,5V,3.3Vなどがあります。このなかで5VというのはTTLタイプの論理ICは半導体の都合で5Vになっています。3.3VというのはCPUのための電圧です。(実際にはさらに降圧してCPUに供給しています)

 では、12Vというのは?

 また車のバッテリーは乗用車は12V、トラック等は24Vです。

 理由は簡単です。いまだに乾電池の起電圧1.5Vの「呪縛」から逃げられないのです。DC回路の電源電圧はほとんど全て1.5Vの整数倍なのです。9Vは1.5Vの6倍、12Vは8倍、24Vは16倍です。

 FA業界では、最初のうちは12Vと24Vが混在して使われていました。これはフォトマイクロセンサー(超小型光電センサー)が12Vだったのが理由です。

 しかし、現在では24Vに統一されています。

 電気の世界では「一番心臓の弱い人は42Vで死ぬ。これを死にボルトという」という説がありました。(これが医学的に正しいかどうかは、私には判断できません)それで、その半分程度の24Vなら大丈夫だと決まったらしいのです(低すぎるとノイズの影響を受けやすいので、本来は高いほうが良いのです。)

 また停電時に最終手段として乾電池を直列につないで、制御系だけでも動かすといった発想もあったようです(もっとも24Vを作るためには、乾電池を16本直列にする必要があって実用的には難しいと思いますが)


 このDC電源を作るためのパワーサプライが用いられますが、これは数年前までAC100VとAC200Vの切替式が主流でしたが、最近はAC85〜264Vなどのフリー電源が開発されています。これは130Vなどの海外電源に対応するためですが、電解コンデンサーとスイッチイング・レギュレーターのブレイクスルーが可能にしました。次回はこのフリー電源について、解説したいと思います。


2001/05/08


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