フリー電源


 最近のパワーサプライ(DC電源ユニット)や、PLCなどの電源範囲の広さには驚きます

 以前の入力電圧は、通常AC100VあるいはAC200V固定か、あるいは切替式でした。

 現在の入力電圧はAC85〜264V(切替ではなく、半端な電圧でも構わない)さらにはDC120〜340Vでも構わない(キーエンス社技術資料より)となっています。

 私が工業高校で習った電源回路では、一旦AC100Vなどから、AC30V程度までトランスで降圧し、それにダイオードによる全波整流をかけ、平滑用コンデンサーを入れて、制御回路(3端子レギュレーター等)で目的の24Vを得る。というものでした。


 それから約10年(おっと、歳がばれてしまいます)。


 さて以前の電源回路では「トランスで一旦降圧」していました。これがポイントです。当然のことですが、トランスはDC電源では使えません。これではDC電源からDC電源を得ることはできません。

 では、現在の電源回路はどうやっているのかといいますと、いきなりAC電源をトランスを通さずダイオードで全波整流して、平滑コンデンサーを通し、制御回路で数十KHz〜数MHzにして高周波トランスをかいして264Vなどから24Vまで降圧します。

 また、電圧の降圧および電圧をコントロールする制御回路の能力が高いほど、電源の種類(電圧範囲)を選ばないことになります。

 以前は、平滑コンデンサーに使われる電解コンデンサーの耐圧が50V程度しかなく、どうしても、30V程度まで降圧する必要がありましたが、現在は耐圧450V品なども市販されており、制御回路も30%程度高い電圧からしか目的の電圧を作り出せませんでしたが、技術の進歩により可能になったのです。

 日本国内で使う分にはあまり関係ないのですが、最近輸出向けの機械が増えており、フリー電源化は時代の趨勢になっていきそうです。(ただし現在は150W程度まではフリー電源化されていますが、大容量品は切替式です。)


注)AC:交流 DC:直流


2001/05/10

 芦刈様より、商用周波数のトランスは使っていないが、高周波トランスを使っているとのご指摘を受け、トランスレスの表記を削除しました。芦刈様ありがとうございました。

 ついでにキーエンス社より、より対応電圧範囲広い電源が発売されましたので電圧範囲を変更しました。150W品でフリー電源とは凄いものです...

2002/03/08 訂正


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