メッキ概論



 この資料は 藤田鍍金工業株式会社様 の教育マニュアルよりの抜粋です。


 藤田鍍金工業株式会社様の許可を得た上で掲載しています。一部編集していますが、著作権は藤田鍍金工業株式会社にあります。



1.メッキとは何か?

 金属または非金属の表面に、金属の薄い皮膜をかぶせる技術を「メッキ」と呼びます。

 「メッキ」は日本語であって、「塗金」「滅金」「鉱金」「鍍金」「電気鍍金」と変化してきたといわれています。現在は「メッキ」と呼ばれています。電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ、真空蒸着、置換メッキ等がありますが、電気メッキがもっとも用途が広い。

 英語では Electoroplating or Galvanizing と呼びます。



2.電気メッキの特徴

1:密着が良い。

2:薄い金属皮膜が得られ、メッキ厚さの調節ができる。

3:外観が良い。

4:メッキできる金属が多い。

  銅,ニッケル,コバルト,クロム,亜鉛,カドミウム,スズ,鉛,鉄,マンガン,金,銀,白金,ロジウム,インジウム,パラジウム,ルテニウム,イリジウム,レニウム等 その他 合金等(例 SnPb,Pd-Ni,Au-Co)


3.メッキで使用される単位

項目単位記号説明
メッキの厚みの表し方ミクロンμm(μ)1000μm=1mm
メッキ面の表面積の表し方平方デシメートルdu1du=10cm×10cm
排水処理の分析値ピーピーエムPPM100万分の1
水溶液の酸およびアルカリ度ピーエッチ(ペーハー)PH強酸0−中性7−強アルカリ14
電流密度アンペア・パー・平方デジメートルDK.DA陰極電流密度・陽極電流密度


4.電気メッキとは


1:電気メッキはどうすればできるか

 ガラス容器に硫酸銅(りゅうさんどう)の結晶を水で溶かし、その容器の中に銅板と真鍮板を立て、それぞれを電線で電池の+極および−極につなぐと、+極の銅板は溶け、−極の真鍮板は銅メッキされます。このように金属塩の溶液に両極板を立て、通電すれば簡単に一応のメッキが得ることができます。しかし、こうして得られるメッキは、決して満足されるような良いメッキはなかなか得られません。メッキができたというより、金属が析出(せきしゅつ)したという程度です。



2:メッキを完全に密着させるには

 メッキの付着には、金属と金属が直接に接触されなければなりません。その間に少しでも異物が入ると完全に密着しません。メッキ作業には、素地の油脂,アルカリ,酸化膜,さび,ごみ等の存在が考えられます。したがってメッキを完全に密着させるには、第一に前処理により、これらを取り除くことが品質に大いに関係します。

 次にメッキ中の失敗、例えば通電バーの接触不良,電流断続による二重メッキ,過電流,メッキ浴の不調など、第二に電流の流し方が重要です。


3:メッキのつきまわり(均一電着性)

「厚さが均一にメッキされるメッキ浴の能力」のことです。

均一電着性を向上させるには

1)極間距離を大きくする

2)電流の一部集中を防ぐ

3)極間距離を各部等しくする

4)液を攪拌(かくはん)する

5)電流密度を最適にする



4:メッキ浴の管理項目

1)液中の金属分が薄くなっていないか?(すくい出し、持込による変動はないか?)

2)不純物(浮遊物,有害成分)は含まれていないか?(ごみ,油,有害金属は混入していないか?)

3)正確な操作で作業されているか? 温度,PH,DKは変動していないか?(特にPHは変動(上下)しやすい)。



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実際のメッキラインのご紹介

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